膝の水
膝が痛かったり、曲りにくいといって来院されるとよく
・膝に水溜まっていますか?
・膝に溜まった水は抜いたほうがいいですか?
と聞かれます
膝にたまっているのは水ではありません関節液と言われる液体と炎症を抑えたりしてくれる物質が混ざった液体です
(関節液とは関節の動きを滑らかにする潤滑油の役割をする液体です)
どの関節でもそうですが、捻挫などにより怪我をするとぷくーっと腫れます。この腫れというのは怪我をした際、軟部組織(靭帯・腱・筋膜・関節包・滑膜など関節の周囲にあるもの)を損傷してしまった時に起こる防衛反応です。
捻挫などの怪我をするとその部分の負担を軽減するために関節液を溜めてクッションの役割をしたり、怪我をした箇所の炎症を止めたり痛みを軽減する物質が集まってきます。なので、そのせっかく集まってきた関節液を抜いてしまうと炎症が治まっていなかったり、そもそもの原因が取り除かれていない限り防衛反応は再度起こるので関節液は溜まってきます。
そして、関節液が溜まってきたから抜いて、溜まって抜いて…というのを繰り返すと、その関節液は作られなくなり溜まるということが無くなります。ですが、潤滑油の役割もしていた関節液なので作られなくなると油切れのような状態になり、軟骨と軟骨の摩擦が大きくなりすり減っていき変形性関節症という状態になってしまいます。
原因をしっかりと見つけ治療すれば膝に水は溜まらなくなり元通りになる方も多くいらっしゃいます。注射で水を抜いてしまうというのはとても簡単にすぐできてしまいますが、リスクがあるということを知っておいてください。
しかしながら、中には関節水腫やリウマチなど病的なものもあるので必ずしも上記の事が当てはまるとは言えませんので注意が必要です。